国際税務の基礎知識(International Tax)

国際税務の基礎についてご紹介いたします


外国税額控除

外国税額控除とは、国外の所得に対して現地国で課税された場合に、現地国で納付した税額のうち一定額を日本における申告時に税額控除ができる制度(二重課税の防止)になります。

現地国における納付税額の全額を単純に税額控除とできる訳ではなく、控除対象となる税額の範囲に含まれるかを検討し、また対象に含まれる場合においても申告上の所得と国外で獲得した所得より控除限度額を算出のうえ、その範囲内にて税額控除を適用する必要があります。

また外国税額控除の対象となる外国税額は、租税条約で定める税率の範囲内と規定されているため、例えば国外からの配当に対して20%の課税がされた場合、現地国との租税条約にて限度税率が10%とされていれば、あくまで10%分の税額のみが外国税額控除の対象となることに留意が必要です。


タックスヘイブン対策税制

海外に一定の子会社を有する場合、子会社がペーパーカンパニー等(一定の要件で事業実態がないとみなされる場合)に該当する場合や低税率に該当する場合には、海外子会社の所得(全部又は一部)を日本の親会社の所得に合算して申告する必要がございます。

海外子会社の事業実態を把握しきれていない、又は当該制度の整理が進んでいない法人も多くあり、税務調査時に指摘されるケースが見受けられます。

本来は低税率国による租税回避の防止を行うために創設されたものですが、その目的を問わず、あくまで要件への当てはめにより当該税制への適用判断がなされるため、意図せず課税が生じてしまうケースには留意が必要です。


過大支払利子税制、過小資本税制

過大支払利子税制は、所得金額に比して過大な利子を支払うことを通じた租税回避を防止するため、対象純支払利子等の額(主に国外への支払利子)のうち調整所得金額の一定割合を超える部分の金額につき当期の損金の額に算入しないこととする制度になります。

過少資本税制は、海外の関連企業との間において、出資に代えて貸付けを多くすることによる租税回避を防止するため、外国親会社等の資本持分の一定倍率を超える負債の平均残高に対応する支払利子の損金算入を認めないこととする制度になります。

これらは一般的に、外資系企業において該当可能性が発生するケースが見受けられます。